自社のWebサイトがどんな役割や機能を果たすべきか、もう一度考えて頂きたい。自社サイトを、会社概要など自社のPR機能、あるいは営業のサポートとして、勝手に考えてはいないだろうか。今まで自社サイトからの問い合わせや引き合いが少ないという理由で、ネットの可能性を確かめていない企業が多い。“当社の商品やビジネスは別なので・・・”とか、“当社の商品はネット向きではないので・・・”と言われることがよくある。本当にそうなのであろうか。そうした自社の特別扱いやネットに対するネガティブな考え方を是非払拭して頂きたいのである。どんな企業においてもネットは強力に購入を促進する手段となるからだ。
企業は各種広告などを使って、売りたい商品やサービスを消費者に認知させるためのアクションを行う。そのため、消費者は毎日様々な情報を知り刺激を受ける。その刺激が購入アクションに導く。消費者はある商品を知ると、その商品を見たくなり、もっと認知を深めようとする。ここから消費者が購入に至るプロセスが始まるのである。
今まで使っていた商品や知っている商品との比較をしたくなり、どこが優れているのか、本当にお買い得なのか調べることになる。資料請求やサンプル請求、店頭で実物を確かめるアクションも他商品と比べる購入プロセスの一部分である。そうしたプロセスを経て、消費者が最終的に納得するかどうかが大きなポイントとなる。自社商品やサービスがどのようなプロセスを経て購入されるか、すでに読者はご存知と思われる。そのプロセスをもう一度チェックしてみよう。何が足りないか、足りない部分をネットで何とか訴求できないか、などである。
店頭では実際に商品があるために、前述のようにモノを見て、知って、試して、他商品と比較して納得するというアクションが頭の中で瞬時に実行され、気に入ったらすぐに購入されることもある。しかしながら、そんな来店の促進にも、ネットのコミュニティサイトやSNS、ブログ、価格比較サイトのネット口コミ掲示板の書き込みが大きく影響している。今まで、広告やプロモーションで「誘惑」や「誘導」されてしまい、あまり情報を得ずにモノを購入した経験は誰にもある。「周りからの確かな情報を得て、もっと賢く後悔しない購入をしたい」、成功体験が少ない人ほど、そんな思いが強い。今までのマスメディアへの反発がこんなところにも出ており、誇大広告に踊らされた感が強くなっていることも否めない事実なのである。
自分が初めて購入する分野の商品やサービスの評判は、今までは、身近な家族、親戚、知人、友人、職場の同僚など、自分の近隣単位におけるコミュニティ内での“口コミ”に依存していた。しかし最近では、新しいデジタル商品のように周囲の口コミでは対応できないものが増え、ネット上の多くの書き込みを、今までの口コミにない“ネット口コミ”として新鮮な気持ちで利用するようになってきた。どこの誰が書いたものかわからない匿名の書き込みでも、利害を伴わない信頼できる書き込みとして、共鳴・共感する人が増えてきたのである。企業は、“ネット口コミ”が購入意思決定プロセスに少なからず関与する時代になってきたことを強く認識してほしいのだ。
あるモノを購入しようと思う際に大手検索サイトで調べる人が増え、実際に調べると、商品のメーカーのサイトよりも、そのキーワードでの格付けが高いサイトのページが上位に表示される。その商品について書かれたブログ、価格系比較サイト、教えて系サイト、販売会社サイト、通販サイト、アフィリエイトサイト、コミュニティサイトの書き込み掲示板など、その数は枚挙に暇がないほどになってきた。
つまり、その商品を検索すると、別段見たくない人も自然にその商品のことが書かれたページに誘導されてしまうほどの量である。未購入者は既に購入した人の書き込みを読み、それを判断材料とし、たとえ、書き込みがなくても、最近では逆に特定の商品を指名して、購入者の意見を求める傾向があるくらいだ。これが、現在のネット環境である。刻々と変わる状況下で、企業は今何をしなくてはならないのか。次回、ネット上における口コミの構造とその使い方をもっと詳細に述べるつもりである。