消費者はある商品やサービスに興味を持ち、ネットで調べたり、あるいは電話で資料を請求したり、問い合わせたりする。こうした消費者は、多くの競合会社の中からその企業を選びコンタクトしているのである。そこで是非考えて頂きたい。消費者は様々な高いハードルを越えて企業にアクセスしていることを。また、既に顧客としてその企業の商品をお店やネットで購入したことがあっても、顧客対応の悪さでその後のセールスや取引を失うことがあることを。
自社にアクセスをしてもらうために、プランニングや各種広告、プロモーションには多大なお金をかけるものの、来店、訪問営業、ネットやメール、電話での問い合わせなど「顧客接点」を重視してない企業が少なくない。ターゲットとする多くの人に認知させれば何とかなる、という一昔前のマスメディア時代の習慣がそうさせているのか、「顧客接点」の対応について未整備な状況が多いと言わざるを得ない。あまりにも無頓着な傾向でもある。
ネット対応や電話対応を誰かに任せれば、顧客対応やサービス水準は一律と思っているのかもしれないし、一番大切な顧客との接点をアウトソーサーに丸投げすれば、すべてやってくれると思っているのかもしれない。だが、これで果たして本当に取りこぼしをしていないかどうか、である。
とくに、潜在客からのレスポンス(反応)を受ける必要があるビジネスの場合はなおさらである。
「第2回 サイトで実績を上げ、サイトが営業員になる新潮流」でも述べたように、あなたの会社に到着した見込客は、その対応によって顧客化できるかどうかが決まる。そのために、Webサイトであれば、サイト上の送信フォームページは見つけ易くなっているか、送信フォームの登録項目は多くないか、あるいは送信フォームだけではなく、電話でも問い合わせできるかなど、細かいチェックが大切である。さらに、メール対応や電話対応における言葉やスクリプト(トーク台本)、資料到着日数なども大きく影響する。
このような「顧客接点」の対応は最終的な新規顧客獲得率に影響し、この対応が未整備なまま放置されると、広告やプロモーションの費用対効果などの数字、いわゆる最終のコンバージョンレートにまで波及する。残念なのはメディア選択やメディアのクリエイティブ、プロモーションの企画、プランニングまでも「効果がない!」と判断されてしまうことである。本当にこのままでいいのだろうか。
ネットや携帯電話などの普及で、今までのOFF-LINEメディアに、新たなON-LINEメディアが加わり、今までにない広範囲のメディア選択が可能となった。テレビや新聞を見た消費者がWebサイトで詳細を知り、送信フォームで企業にアクセスする。検索サイトから、商品サイトに誘導されて電話で問い合わせる。交通広告を見て、携帯サイトから申し込みをする。消費者にとっては、そんなクロスメディアの習慣が当たり前となってきた。
こうした消費者のアクションは、今や単なる「クロスメディア」として片付けられるものではない。的確に対応するためには、マルチクロスメディア活用、マルチ誘導、マルチレスポンス獲得のWebマーケティング3原則の考え方を取り入れる必要がある。どこで商品を認知し、どんな経路でWebサイトに到着し、どんな方法でアクセスするのか。つまり自社の勝ちパターンをもっとしっかり認識しておくことが重要だ。
すべてネット上で顧客獲得が完結する企業は稀であることも頭に入れておこう。最終的な顧客獲得数や購入額などの実績数字を上げたいのであれば、自社のWebサイトのページビュー数(ページ閲覧数)だけではなく、"顧客(潜在客・見込客・既存客)が自社に接した際の取りこぼしをしないこと"、これに尽きる。こうした顧客に対するマルチ対応を検討して実施することが、今後企業に求められる。その方向性で具体的な「Webマーケティング」を実践してみよう。それが自社のマーケティングの新たな流れとなるはずだ。
競合他社に勝つためには、下記の3つの原則を踏まえ、自社に合致した戦略と戦術が必要となる。1)では企業から消費者にどのように認知させるか、2)は企業サイトや商品サイトへ、いかにターゲットを誘導させるのか、3)は最終的な顧客化へのレスポンス獲得を示している。各プロセスにおける選択と組み合わせを把握し、自社の勝ちパターンを築く必要がある。