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従来情報システム部門は、全社で必要とするシステムを構築することに主眼を置く組織であり、システムそのものの設計・開発に注力していればよかった。現在はユーザー部門ごとの分散化が進展し、全体最適と部分最適とが一致しないシステム利用環境にあることが多い。このことによりシステム部門とユーザー部門との間にそごが起こり、コミュニケーションが取れているとは言えない。それに起因してシステム部門の全社掌握度が低下してきているといえる。そのような背景から企業の期待する情報システム部門は、個別業務に熟知した上でシステム利用に主眼を置き、利用者の利便性を追求することが主体となる組織へと変化してきている。この変化を前提にITガバナンスの構成要素を整理する。
【構成要素】
- 戦略の方向性と情報システムの整合性:企業全体、事業の方向性とシステムの整合性
- 組織:全社情報システムを統治できる組織体制と新たな業務分掌
- 業務:業務を熟知し、柔軟に情報(データーベース)・システムを活用できる応用力
- コスト:適正なコスト配分、投資効果測定と評価
- 運用:全社的にみた効率の良い運用体系、ネットワーク運用体系とその運用
- ルール遵守:法・制度・社内ルール遵守とガイドライン策定
- リスク管理:物理的セキュリティ、サイバーセキュリティ、内部統制
- 調達:最適な調達を行う仕様書作成、調達方法、評価方法
この1〜8の構成要素を土台にして、情報システムを統治できる組織機能を明確化する。
【必要機能】
- 業務企画機能
- 業際業務機能
- マネジメント機能
- プロジェクトマネジメント機能
- システム評価機能
- 投資効果測定機能
- セキュリティマネジメント機能(リスクマネジメント機能)
- 情報リテラシー教育機能
- ヘルプデスク機能
- コールセンタ機能
- ノンストップ運用機能
図1は上記機能のカテゴリーと機能の内容を表したものである。この機能体系を土台にして現在の組織体制を棚卸し、機能の有無を明確化する。その上で現在の情報システム部門体系を再設計し役割と業務分掌を明確化する。この時点でITガバナンス全体の方向性が明らかになる。
ITガバナンス構築においてアウトソーシング利用は有効であるが、アウトソーシングに向けた整理として次の2つの観点が必要となる。
| (1) |
現在行っている業務が、コアでなく不必要な領域となった場合どのような対応方法をとるのかを明らかにする。 |
| (2) |
現在自社内に上記機能に関するノウハウ、技術、人材が無い場合どのような補完方法をとるのかを明らかにする。 |
ここで、企業として(1)の「コアでない領域」、(2)の「新たなノウハウ・技術補完領域」と2つの意味でアウトソーシングを行う必然性が明らかになり、企業にとって生産性のもっとも高い総合的なアウトソーシングシナリオが出来上がる。これを戦略的アウトソーシングと定義する。
ITガバナンス構築は、企業にとって最適なIT活用を実現するメカニズムを確立することである。自社内解決にとらわれることなく、ダイナミックな外部活用を全体のシナリオに組み入れて、理想の環境を短時間で導入することを推奨する。
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