情報システムのアウトソーシングについては、1987年に日本にキーワードとして登場した。当初は大型汎用機を利用したオーダーメード型システムが主流であり高コスト化が問題となり始めていた時期であるが、バブル絶頂期という社会背景からあまり話題にならなかった。1990年12月バブルが崩壊しその後未曾有の不景気が13年に渡り続く中で、システムコスト削減、オフィス・スペースの有効利用が必要となりデーターセンター指向・ハードな資源のアウトソーシングが具体化された。しかしながらこの時点では企業の戦略・方向性・具体的業務を理解した上ではなく、単純なアウトソーシングが主流であった。その後4世代程度のアウトソーシングを経て今日に至っている。今回は、最新ICT(※1)環境でのアウトソーシングの必然性について整理し、12回に渡って連載しまとめてみたい。
重要な視点は、ユーザーの視点からのアウトソーシングの有益性である。過去20年に渡るアウトソーシングは、ベンダー側から提供されたサービスをそのまま利用する形式が殆どで、必ずしも利用者にとって有益な情報システム利用の方法論ではなかった。何故なら単純な情報システム資産やサービスの交換関係にとどまっていた。現在及び近未来において必要な関係性は、不足するIT技術、機能、人員、業務プロセスを補完する方法論・関係性としてのアウトソーシングである。
※1 ICT:情報通信技術