ユニー様は1993年、JR名古屋駅前の本社ビルを現在の稲沢市に移転されました。その背景には、徹底的なコストおよびリソースの削減による企業基盤の再構築、強化・安定化という急務がありました。 本社移転とともに社内の情報システム部門をアウトソースし、当時総勢80名ほど抱えていた情報システム部門スタッフを30名まで削減し、現在では15名の少数精鋭の体制。 業務内容においても基本出力情報を最小限の2/3にまでカットし、費用対効果優先の徹底を図りました。
1996年にはグループ会社のサークルケイ・ジャパン(株)が東京証券取引所へ上場し、翌年にはユニーグループ連結売上高が1兆円を突破。その後2000年まで続く徹底した定量判断による費用対効果の追求が、7年の時間をかけて情報システムコストをピーク時の1/4まで削減しました。 その大改革を振り返り、業務本部 情報システム部 チーフマネージャーの田辺登喜男氏は目を細めます。
「ユニーにとって、2000年までの時期はひとつの大きな節目でした。企業の存続はもちろん、その先への競争力強化にはまず、経営基盤の建て直しが必要でした。 しかし、その間にも社会はIT化を推し進めており、私どもはそれを敢えて「しない選択」から始めました。 そして遂にそのコストを極限まで下げた2000年を境に、我々は出遅れたIT化を取り戻すべく大プロジェクトを開始したのです。 それが、MDシステムを代表とするユニーグループサイトの構築だったのです」
1993年の企業再建で情報システム部門のアウトソースを依頼された株式会社メイテツコム(以下、メイコム)様は、ユニー様の再建において既存システムの運用を一手に任されていました。 名古屋駅前のユニーコンピュータセンタが入っていた同じビルに本部を構えるメイコム様だからこそ、ホストコンピューターと端末で構成されていた当時のユニー様のデータセンタをそのままの形で引き継ぎ、 移行コスト「ゼロ」でアウトソーシングを実現できたのです。
押し寄せるIT化、オープン化の波を受けつつ企業基盤の再建を優先してきたユニー様も、遂に2001年に店舗業務改革・商品部業務改革・物流改革・B2B改革の4本柱の改革を実現する為に「新MD改革案」を策定し、 本格的にITによるオープンシステムの構築に乗り出しました。 生産性の向上、企業競争力の復活をかけた一大プロジェクトは、発足からわずか14ヶ月で第一次システム稼働を開始。 次いで1年後の2003年11月には第二次システム、商品情報・イントラシステムの本稼働、取引先からのWEB登録業務が開始されました。 12月にはユニーグループサイトへの展開も開始するという異例なスピードで、システムのオープン化は留まることなく進みました。 そのインフラ基盤を支えたのが、日立情報システムズのIDCと、これまで長年培ってきたメイコム様の運用ノウハウでした。
日立情報システムズを選定したポイントとして、業務本部 情報システム部 部長の角田吉隆氏はこのように語っています。
「グローバルサイトにこだわらず、プライベートサイトでもグループのサイトを立ち上げよう、という意気込みで始めました。そしてやるからには『絶対に止まらない』ECサイトを実現させなければなりませんでした。運用管理においてはユニー独自のノウハウを理解してくださっているメイコムさんの助力に負うところが大きくあります。その一方でインターネットを用いた全国の取引先への商談対応のためには、大規模なIDCを専用に設けることにしました。長年のノウハウと最新のIDC技術が、最適なバランスで連携を図れるような体制を必要としたのです」
この2つのセンタの業務連携を支えるインフラ構築、および運用体制の確立に関して、メイコムの事業統括本部 第2システム事業部 流通・サービス事業担当 シニアリーダー、 前田茂智氏は当時を振り返り、このように語っています。
「IDCに設置されたサーバとメイコムにあるホストとの連携を行うには、ホストとサーバの間で大容量データの受け渡しが必要でした。 十分な帯域を確保できていなかった回線のボトルネックを解決するために、私どもは回線の両端で圧縮・解凍する仕掛けを導入して問題を解決しました。 また日常業務に耐えうるFTPの信頼性を確保するために、既存のホストツール(CA-7)を用いてコストを抑える仕掛けを導入するなどして、障害発生時にもオペレータが迅速に対応できる仕組みを作り上げました。 ホスト・サーバに精通すると共に、長年の私どものアウトソーシング業務で培ってきた技術によるものと自負しています」
こうしたメイコム様と日立情報の連携を選択した背景について角田氏は、「日立情報さんのデータセンタとしての設備面の充実と実績、 そして『TWX-21※』というECサイトのアプリケーションが当時必要だった」とした上で、「少人数の私どもにとって、メイコムさんも日立(情報システムズ)さんも、IT基盤確立のためにハダカになってお付き合いいただけている『仲間』です。 企業という枠を越えて集(つど)っている者同士であり、こうした体制が短期間での開発を成功させたと思っています」と語っています。
※(株)日立製作所による会員制の企業間EC(Electronic Commerce)サービス