・・・「導入して本当に良かった」。
自社基幹システム導入についてのインタビューにあたって、システムの構想からパッケージ選定、立ち上げ稼働まですべてを統括していた、男前豆腐店株式会社様(以下、男前豆腐店様)の立身(たつみ)氏は語る。
立身氏の安堵の表情を見せる背景や、男前豆腐店様独特の新商品開発方法について、伊藤氏と立身氏にお話を伺いました。
-
事業内容 / デザインや名前は5%。95%は製法にこだわっています

奇抜なネーミングと
パッケージが目を引く商品群

男前豆腐店株式会社
代表取締役社長
伊藤ジョニー信吾氏
商品開発、グッズ企画を行なう
専門チーム「オレッチ」
|
男前豆腐店様とは?
男前豆腐店様は、大ヒット商品「男前豆腐」「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」をはじめ「厚揚番長」「グラサンマブ」など、奇抜なネーミングと斬新なパッケージ、そしてそれらのインパクトを上回る濃厚な味で、マスメディアや大手スーパー、消費者などの注目を集める成長企業です。
社長である伊藤氏が中心になって展開する、男前豆腐店様の世界観に共感する熱狂的なファンも多い。
『男前豆腐』誕生の秘密
この、従来の豆腐にはあり得なかった強烈なデザインは、なぜ生まれたのか?
「私たちは後発ですし、伝統もないですから。『美味しさがほかと違うことを伝えるには、どうすればいいか』を考えたとき、商品名とパッケージの形に徹底的にこだわったらよいと思いました。手に取ってもらわないと始まらないし、食べてもらわないとストーリーが始まらない。」(伊藤氏)
この狙いは当たり、広告宣伝を行なっていないにも関わらず、男前豆腐店様は口コミで一気に世間に認知され、テレビに何度も取り上げられるほどの人気となった。
しかし男前豆腐店様が注目を集め続けているのは、デザインや名前が奇抜なだけでなく、おいしさが確かなものであるからだ。
「製法に実はすごくこだわっていて、ここでは語りつくせないほど、95%くらいを費やした熱いストーリーがあります。そして、できた豆腐に対して、最後の5%で集中してデザインや名前を付けていく。豆腐をどれだけ掘り下げていけるか、というのがうちの仕事だと思っています。」(伊藤氏)
派手なデザインは、もっともエネルギーを費やした「豆腐屋本来の仕事」、まさに「男前」の仕事ぶりを知ってもらうための手段の1つである。
|
男前豆腐ブランドの新商品はどうやって生まれる?
人気のもうひとつの秘密は、新商品発売のサイクルが早く、消費者を飽きさせないことである。伊藤氏は男前豆腐店様が消費者にどのように受け入れられているか、つねに巷のWebサイトやブログをチェックしている。こうして消費者の生の反応をキャッチし、直接工場やデザイナーに指示を出す。
「新商品の開発に社内稟議を通す必要はありませんし、商品開発部も設けてないのです。基本的に会議もやらないし、朝礼もやりません。僕自身がつねに現場に立っています。」(伊藤氏)
男前豆腐店様のビジネスの展開が、他企業と比べてはるかに早いことが、こうしたエピソードからも分かる。立身氏も自社の雰囲気について次のように語る。
「豆腐に対する思い入れがありますし、思い入れがある分、変化が早いですね。味に対してもデザインに対しても妥協がないんです。」 (立身氏)
改良点や売れるためのヒントに気づくと、瞬時に実行に移す伊藤氏の行動力。その「良いものへのこだわり」を社員が共有し、一丸となって実現する「スピード感」。これが男前豆腐店様の成功の、1つのカギといえるだろう。
-
導入経緯 / 急遽打ち出された多工場展開という方針
立身氏が非常な危機感を感じて、次期システムの情報を集め始めたのは、2006年11月初旬のことだった。

男前豆腐店株式会社
業務部 部長
立身正樹氏
システム検討開始までの時系列
|
―― 以前は、どのようなシステムをお使いだったのですか?
ここには、もともと別の豆腐屋の工場があったのですが、本社をここに移転してきたあとも、その豆腐屋のシステムを引き継いで使っていたのです。COBOLの言語でしたから20年くらい前のシステムでしょうか。伝票が出て請求書が出るくらいの機能しかなかったのです。(立身氏)
―― そこに急遽、工場と流通拠点を全国展開する話が出たとうかがいました。
はい。もしかして(全国に複数の拠点を展開するかもしれない)、という話が出てきたとき、すでに本社のほかに清里工場(山梨県北杜市)が稼働開始したところで、そこで使えるシステムがないといった状況でした。そしてさらに第3、第4の拠点設立の話も急ピッチで進み始めていました。このことは、1年前には想像もしていなかったことでした。 (立身氏)
―― 男前豆腐店様ならではの早い展開ですね。
これは危険だと思いました。工場ができるということは、稼働率を上げないといけないし、得意先を増やさないといけない。得意先が増えれば、おのずと作業量が増えます。旧システムでは伝票発行1つにしてもままならないですし、宅配便で送ったりすれば1日タイムラグが出る。それは、あり得ないことです。早急に複数の拠点の管理に対応できる、新しいシステムが必要でした。(立身氏)
|
-
基幹業務パッケージの検討 / 基幹の部分が合うパッケージが見つからない
立身氏は短期間の間に十数社ものシステムを比較検討した。
―― 立身さんが考えておられたシステムの要件とは、どんなものだったのですか?
まず、効率や費用対効果を考えると、パッケージでした。一から開発すると、莫大な開発費用がかかってしまいます。しかし、パッケージでも大きなカスタマイズをすると、コストがかかりますので、ある程度こちらの要望を備えたパッケージでなければならなかったのです。(立身氏)
―― 日数にも余裕がなかったということですか?
日数の問題ではなく、「こうしたい、ああしたい」という要望を満たすようなデータベースが備わったパッケージ、これに対応できる会社がなかったのです。(立身氏)
-
パッケージの決定 / 「TENSUITE」は「あったらいいなぁ」と思う機能があった
立身氏は十数社から検討し、最終的に日立情報システムズの「TENSUITE」に行き着いた。

「TENSUITE」使用の様子
めまぐるしく変化する状況に対応する事務所の様子
|
―― 「TENSUITE」を選んだ理由は?
他社のパッケージと比べて、私たちが考える構想に一番近かったのです。結果、大きな作業になるようなカスタマイズはありませんでしたから、基幹の部分はそのまま使っています。カスタマイズの必要がないくらい要件に合っていたことが、導入を決めたポイントでした。パッケージソフトでありながら、細かな部分を兼ね備えていました。(立身氏)
―― 細かな部分とは?
コード体系をどう持つかということです。これだけいろいろなものが日々絶え間なく動いている会社ですので、その中で経営判断の必要が出てきます。システムは「その判断を短い時間でできるようにするもの」であるべき、と考えています。そのために、細かいデータベースが必要でした。(立身氏)
|
―― データベースが細かいと、経営に必要な分析が素早くできる?
そうですね、データベースがしっかりしていないと、データが活用できないですからね。現状の損益などを、商品別、工場別、得意先別、配送先別といった、さまざまな切り口から判断できます。何かをしていく上で、瞬時に判断できる材料があれば会社として強いのではないかと考えました。(立身氏)
―― なるほど。データの切り口が多様にあるということですね。
集計も、ですね。たとえば「TENSUITE」は、取引先を分類ごとにまとめるコード体系がある。当社のように、さまざまな業態を吸収して大きくなった大手スーパーチェーンが取引先にあると、取引先グループごとに売り上げを出さなければいけないことが多いのです。だから、それらをまとめるコードがマスタに備わっていると集計がしやすい。そういう「あったらいいなぁ」と思っていた機能が「TENSUITE」にはあったのです。今後システムを拡張していくことを考えても、データベースが基本になりますので。その部分を重視しました。(立身氏)
―― データベースだけならほかにも優れたパッケージがあるのでは?
「TENSUITE」は、業態や細かい要件にも合っていたという点もあります。たとえば、豆腐製造販売というと、まず在庫を持ちません。普通はあらかじめ製造して一度倉庫に入れておいて、そこから余裕を持って出荷調整していく。「TENSUITE」はそういう業態にも対応していると思います。しかし、この豆腐業界は、作ったらすぐ出て行く流通形態なので、既製のソフトウェアにあるような在庫管理ではないのです。そういう意味では特殊です。そういった特殊な業態にも対応できるのが「TENSUITE」でした。たとえば全国展開になると、今日作ったものが明日にはお店に着くお客様、遠方で明後日着くお客様があったりします。そういう場合、店着日しかデータベースに持ってないとなると、これはもうシステム化できない。あとからカスタマイズでは、おおがかりになってしまいますし、対応が面倒になる。でも「TENSUITE」の場合は、店着日と出庫日両方を持っているので、配送時間を正確にとらえて製造計画を立てるようなことも可能になります。そういう細かい部分まで対応できることが、採用のポイントになりました。(立身氏)
-
もう1つの決め手 / このペースに付き合える会社は日立情報しかいなかった
急ピッチの事業展開により、システム検討開始時には2拠点だった拠点数が、パッケージ決定時には3拠点に増えていた。
|
―― なぜ、システムの稼働開始が、3月でなければならなかったのですか?
冬の間なら手作業ベースでやり過ごせる部分もあったのですが、夏場に出荷のピークが絶対にくると分かっていましたので、2月までに仮で立ち上げて、何とか3月くらいには本稼働ができていないと、事務作業が間に合わなかったのです。(立身氏)
―― そうすると、システムの立ち上げまで、3〜4カ月しかなかったというわけですか。
はい。このペースに付き合っていただけるのは日立情報システムズしかいませんでした。やはり大きな会社ですから、対応していただけると思っていました。必要不可欠な部分と、そうでない部分を切り分けて、段階的に実現可能なスケジュールを組んでくださったのもありがたいことでした。こちらも時間のない中、本当に良いものを取りいれたいという気持ちが大きかったです。人が何人いても足りないくらいギリギリで、寝る間もなかったのですが、日立情報システムズと二人三脚で今の運用ベースまで持ってくることができ、感謝しています。(立身氏)
|

システム稼働開始前後の時系列
|
―― 無事ピークを迎える前に、システムを稼働させることができたわけですね。
はい。ちょうどそのころから得意先も順調に増えてきました。あと1カ月遅れていたら、たいへんなことになっていました。4月には4拠点目の青森工場の稼働も控えていたのですが、青森工場のシステム稼働まで無事に持っていくことができました。(立身氏)
-
導入効果と今後の展望 / 今は土台固めが終わったところ、やりたいことはまだまだ
新システムへの刷新の経緯をここまで語ってくれたあと、立身氏はほっと安堵の表情で語る。
 |
運用ベースになってから、社員一丸となってシステム稼働させています。今では、何をするにもいろいろな切り口があって。集計作業の負担も軽減していますし、データの二重管理なども一部にありましたが、これもなくすことができ、システム監査への対策も強化できました。本当に導入して良かったと思っています。私たちがやりたいことは、まだいっぱいありますので、これからもいろいろとお知恵とお力を貸していただければと思います。(立身氏)
|

株式会社日立情報システムズ
流通産業営業本部 第四営業部
富澤 幸司
|
「TENSUITE」が男前豆腐店様の急成長を、システム面からサポートさせていただいていることは、当社としてもたいへんうれしく思っております。今後も男前豆腐店様のスピード感に遅れないよう、全力でサポートさせていただきながら、少しでも“男前”に近づいていければと思っております。 |
お気軽に資料請求・お問い合わせください

今回の取材にご協力いただいたお客様
| 男前豆腐店株式会社 |
| |
代表取締役社長 伊藤ジョニー信吾氏 / 業務部 部長 立身正樹氏 |
ご協力ありがとうございました。
本事例に記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。